店舗の独立開業「準備」で、
一番大切なことは何だと思いますか?
いかがですか?
みなさん、
きっと様々なことが頭の中をよぎられたと思います。
店舗を開業させるためには、
実に多くの準備が必要になります。
独立開業ともなれば、
なおさらですよね。
では、ここで、
私はセミナーなどでいつもお伝えしている
小さな店舗の独立開業を成功に導く「7つのステップ」
のメニューを参考までに書き出してみますね。
それをもとに、
もう一度、じっくりと考えてみてください。
【1】土台づくり
●目的・目標
●コンセプト(商品サービス、顧客ターゲット)
●開業スケジュール
●資金計画(開業資金、収支計画、ライフプラン)
【2】看板づくり
●ポジショニング
●キャッチコピー
【3】お客づくり(集客)
●立地
●広告
●人
【4】ファンづくり(固定客化)
●名簿
●イベント
●コミュニティ
●SNS
●各種ツール
【5】場づくり
●エリア選定
●物件探し
●立地選定
●物件選定
●契約見極め
【6】店づくり
●店舗デザイン
●施工・調達
【7】人づくり
●採用
●教育
●開業準備
●オープニング
以上が、
塾やコンサルティング、
そしてセミナー(重要部分を抜粋)でお伝えしている
ラインナップです。
塾やコンサルティングでは
この順番で、開業準備を進めていってもらっています。
でも、大抵の方は、
【1】から【4】までは
なんとなく感覚で決めてから、
【5】と【6】のハードの部分から
いきなり開業準備に突入される人が多い
のが現実ではないでしょうか?
弊社(チャレンジ・スペース)では、
物件探しの仲介のお手伝いもしていますが、
次のような相談を頻繁に受けます。
開業予定者(Aさん):「良い立地の物件がなくて困っているのですが、良い物件を紹介してもらえないでしょうか?」
私(梶谷):「わかりました。では、エリア内の物件情報を洗い出してみたいと思いますが、その前に幾つか質問をさせて頂いてもいいですか?」
私:「Aさんにとっての良い物件とは、どのような物件ですか?」
Aさん:「駅やスーパーなどが側にあるような、人通りの多いエリアにある立地の良い物件で、賃料などの予算が○○円以内で収まる物件を探しているのですが・・・。」
私:「なろほど、わかりました。では、今のところの物件探しの状況を教えて頂けますか?」
Aさん:「インターネットで散々物件情報を探してみたのですが、中々良い物件がなくて困っています。仮に、立地の良さそうな物件があっても、今度は賃料などの条件が高くて、手が出せない状況なんですよ。」
私:「その他にはどんな感じですか?」
Aさん:「勇気を出して、店を出したいエリアの不動産屋も幾つか周りましたが、店舗となると中々数は少ないようですね。また、対応もぶっきらぼうで、どこに相談したら良いのか正直、困っている状況なんですよ。」
私:「なるほど。ところで、開業はいつ頃を予定されているのですか?」
Aさん:「実は、会社も退職してしまっているので、良い物件があり次第、物件を決めて、開業準備に取り掛かろうと思っています。すでに、内装業者は決めているので、準備は万端です。物件だけなんですよ~。早く物件を決めないと、貴重な開業資金が底をついてしまう状況で、正直、焦っています。」
このような相談を受けることが
本当に多いのが現状なんですよ。
ここで、少し考えてみてください。
Aさんの言われている言葉の中で、
どこかに大きな不安要素はありませんか?
いかがですか?
そうですね。
それは、Aさんが、
自分にとっての良い物件が見付からない状況の中で、
焦りを感じているという点ですよね。
しかも、すでに退職をされてしまっているため、
店舗の開業から逆算して、
物件の取得や、店舗の内装工事など
のために使う予定の初期費用以外に用意していた
開業前後の運転資金の計画にも
くるいが出始めているという現実です。
このような状況で、
正しい判断ができるでしょうか?
店舗の開業リスクが高い
と言われている一般的な理由は、
余程の資金がある中での開業するケース以外では、
一旦、開業準備に手を付けて、
つまり、物件を決め、内装工事に着手したら、
後戻りができない
ということです。
さらに、多くの場合、
物件選定や内装工事などのハードを決める前の、
開業コンセプトの検討や、
開店後のお客づくりの準備が
ほとんどされていない
というケース
が実に多いのも現実です。
ということは、
いくら、良い物件を借りれても、
はたまた、
どんなに立派な店舗を作ることができたとしても、
想定通りの来店客が見込める精度は、
準備をしている人と、していない人との間には
非常に大きな差が出る可能性が高いということになりますよね。
これから、自分の夢のお店を開業しよう
と考えているみなさんにとって、
ビックリさせるような話をしてしまったかもしれませんが、
ここは本当に大切なところなんですよ。
だいぶ話が長くなってしまいましたので、
今日の話をまとめます。
ポイントは2つです。
まず、1つ目として、
店舗の開業準備においては、
物件探しに関してだけは、
自分の力だけでは、スケジュールを完全にはコントロールできない
ということです。
そのため、その前後、
つまり、開業日と、前職の会社を退職するタイミング
だけは、慎重に決める必要があるということです。
2つ目のポイントは、
次の通りです。
あなたのお店を開業する本来の目的は、
「開業」の成功ではなく、
開業後の「店舗経営」の成功であるはずです。
かつ、店舗は一般ビジネスとは異なり、
決めたら最後、容易に変更することができない物(ハード)、
つまり、物件や内装、設備などを最初に用意しなくてはなりません。
そのため、その精度をできるだけ上げる為の努力を
具体的な開業準備に手を付ける前に、
後悔しないように、できるだけ先にやっておく必要がある
ということです。
以上の2つのポイントを
もっとわかりやすくお伝えすると、
物件探しと、
開業準備前のプランを練る時間
この2つの時間だけは、
必ず、余裕を持ってスケジュールに織り込んだ方がベターである、
ということです。
店舗の独立開業「準備」は、
はじめにお伝えした通り、
実に多くの事柄を、
多くの人と専門家と関わり合いながら
進めていく必要が出てきます。
先程、ご紹介した、
塾やコンサルでお伝えしているメニューを見るだけでも、
それぞれ個別に、とても重要に見えてくるとは思いますが、
中でも、
一番大切なことは、
店舗開業後の成功から逆算した、
開業「準備」のスケジュールの立て方に
成否のポイントがある
ということです。
どうか、それだけは頭の片隅に入れた上で、
あなたの夢のお店の開業準備に邁進してくださいね^^