こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。
すでに活用されている方は多いと思いますが、
ビルに限らず、
建物の老朽化などにより
賃貸物件の建て替えを計画している時は、
新しく入居する入居者とは
建て替えまでの期間を契約期間とする
定期借家契約を結ぶことによって、
期間の満了時には、
つまり、建て替えに伴う解体工事の着工前までに、確実に物件を明け渡しを借主に主張することができるわけですね。
では、建て替え計画ができる前までに入居している入居者がいる場合はどうなんでしょうか?
結論から言えば、
事業用、つまり店舗や事務所などの
商売で使っているテナントとの間であれば、
貸主・借主双方の合意で、
従前の普通借家契約を解約し、
新たに、建て替えまでの期間を契約期間にした、定期借家契約を結ぶことにより、
解体工事が始まる前までに
確実にテナントに退去を主張することができます。
ただし、ここで2つだけ注意点があります。
1つ目は、
従前の普通借家契約を解約するためには、
必ず貸主・借主双方の合意が必要であるということです。
普通借家契約では、貸主に正当事由がない限り、貸主からの一方的な解約は認められないからです。
この正当事由は、余程のことがない限り、中々認められません。
2つ目は、従前の普通借家契約が、定期借家契約に関する法律が施行されるる前に締結されていたケースで、
かつ、定期借家契約に切り替えようとしている物件が、マンションやアパートなどの居住用の建物である場合は、
法律によって当分の間は、
普通借家契約から定期借家契約への切り替えができないことになっています。
ただし、これも、
同一当事者で、かつ同一建物のケースではダメである、
ということなので、
いくつも部屋を持っているケースで
隣の部屋へ移動してもらう、
といったアイデア次第では
可能なパターンもできると思います。
いづれにしても、
テナントビルや貸しビルなど
貸店舗、貸事務所といった
事業用のテナント物件においては、
双方の合意解約によって
定期借家契約への切り替えが可能だということです。
そのためにも、
ぜひ既存の入居テナントとの間の関係を良好に保つことがいかに大切か、
改めて認識できますよね。
日常的なテナントとのやり取りは、
信頼の積み重ねを形成する
とても大切な接触機会です。
このことを、
我々、管理会社の人間はもちろんのこと、
オーナーの方々も、
認識されることが大切であると思います。
以上、
ビル建て替えに向けたテナントとの賃貸借契約を、計画的に進める定期借家契約の活用方法
についてお伝えさせて頂きました。
貸ビルや貸店舗などのテナント経営をされている
不動産オーナーの方々のご参考になれば幸いです。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。