こんにちは。
神奈川 横浜 の不動産コンンサルタント、チャレンジ・スペースの梶谷です。
ビルやマンション、アパートの空室問題の陰にある根本的問題について考えたみたいと思います。
私の会社(株式会社チャレンジ・スペース)では、テナントや貸ビルに強いということから、貸ビルや貸店舗、貸事務所の入居者募集(テナンントリーシング)のご依頼を受けます。
ご依頼を受けるケースを分類すると大きく3つのケースになります。
1つ目は、新築のビルや物件の募集のケース。
2つ目は、既存のテナントから解約予告が出たため、退去前から募集をするケース。
3つ目は、前のテナントの退去からだいぶ時間が経過しているが、一向に次のテナントが決まらずに、困って、テナントに強い不動産会社である弊社に依頼されるケース。中には、新築物件にもかかわらず、全くテナントが決まらずに、困り果てて弊社に相談に来られるケースも。
この中で注意しなくてはいけないケースは、当たり前ではありますが、最後の3つ目のケースになります。なぜなら、すでにテナント募集をしているにも関わらず、中々次のテナントが決まらないからです。
1つ目の新築のケースともかぶりますが、特に、新築なのに決まらないというケースは、非常に厳しい現実があります。ハウスメーカーや建設会社の言いなりになって、ニーズのない用途や広さ、間取りでつくってしまったりなど、現場に行けば、ほぼ原因が分かります。
このようなケースに出会う度に、「なぜ計画段階で一声だけでも声を掛けてくれなかったのか?」と、心の中でつぶやいてしまいます。ただ、それも後の祭りで、そこを何とか知恵を出すのが我々に期待されていることと心を奮い立たせてコンサルティングや募集活動(テナントリーシング)をしていますが。ただ、ここではそれは本題ではないので、それについては別の記事をご覧ください。
さて、ここでは、この3つ目のケースにおいて、以外にもその時点では、あまり意識されていない大きな問題が隠されている、ということを知っておいて頂きたいと思います。
例えば、3つ目のケースでよくあるパターンとしては、
まずは、空室で困っているオーナーから問合せがあり、現場に足を運びます。
すると、確かに、一等地ではなかったり、築年数が相当経過していたり、設備が古かったり、外壁等の見かけが悪かったりするなど、随所にテナントから敬遠される要素が盛り沢山の状態であったりします。
しかし、そんな状態であるにも関わらず、改善できる点を改善しようとしているかというと全くされておらず、エレベーターの法令点検もされていないケースもあります。
さらに、このような状態であるにも関わらず、賃料が相場と比べて、かなり強気であったりもするケースがあります。
これでは、決まるものも決まりません。よって、できる範囲で、これらを改善しようと提案をしますが、中々、同意を得られません。それはなぜでしょうか?
そうです。実は、オーナーには資金的な余裕がないのです。しかも、かなり余裕がないケースもあります。
募集賃料にしても、物件状況を考慮に入れた上で、相場から判断した賃料ではなく、賃貸経営上、オーナー自身の資金繰りを何とか成り立たせるための希望賃料、であるケースです。
ただ、仮にその賃料でテナントが見つかったとしても、今後発生する建物や設備のメンテナンスに回せる資金的余裕を見込んでいるとは到底考えられないケースもあります。
昔からの自社ビルを全部または一部を賃貸していたケースなどでは、以外に多いのではないでしょうか?
では、どうすればよいのでしょうか?
大きく方向性としては2つあります。
一つは、現在の貸し方にこだわらず、新たな貸し方を創っていく。
これは、プロである我々であってもそんなに簡単なことではありませんが、弊社では必ず一度は真剣に検討するようにしています。
もう一つは、賃貸経営をやめる、もしくは物件を売却するなど、そもそもの経営(個人であれば家計)を抜本的に見直すことを提案させてもらいます。
賃貸経営も立派な事業です。そして事業にとって一番重要なことは引き際を見極めることです。もちろん続けることも大切ですが、そもそもの賃貸経営の目的を考えたら、破綻する前にやめる、ということも立派な経営判断であると考えています。
私は貸ビルやテナントビルを中心に、賃貸経営のサポートをずっと行っていますが、もちろん、賃貸経営を続けることができるように、一生懸命サポートさせて頂いていますが、ただ、状況やその人にとってベターであると思えば、中々、普通の不動産屋では言いにくいことかもしれませんが、「顧客の利益第一」である不動産コンサルタントとしての自覚を持って、「やめる」というアドバイスをさせて頂くことも大切であると考えています。
ここからは私の信念ですが、そのようなアドバイスやコンサルティングをさせて頂く時は、オーナーご本人だけでなく、ご家族からも、とことんお話しをお伺いし、納得感をもって次のステージに歩まれるための心のケアを大切にしていきたいと思っています。