目次
はじめに
不動産屋にとっては当たり前でも
一般の人にとってはあまり知られていない事は結構あります
多くのケースで、このようなギャップがあるままの状態で
物件探しが始まり、そして終わっていきます
一般の方々にとって
物件探しはそんなに頻繁に行うものではありません。
そのため、物件探しに慣れている方にとっては知られている事でも
初めての方や不慣れな方にとっては初めてで分からない事は多々あるものです。
でも、
「不動産屋には何となく聞きにくい」
「基本的な事を聞いたら馬鹿にされないか心配」
「そんな事を聞いたら取引で不利になってしまうのではないか」
こんなご意見をよく聞きます。
そこで、物件探しを実際に始める前に
事前にこれだけは知っておいて頂きたいと思う
物件探しの基本的な、でもとても大切な事のみをまとめてみました
ぜひ、後悔しない、そして納得のいく
事務所・店舗探しのためにご活用頂ければ嬉しく思います
ちなみに、当レポートの内容は
事務所・店舗など、事業の賃貸物件を探す方に向けて書かれていますが
居住用物件も含む広く賃貸物件を探されている方にとっても
参考にして頂ける内容になっているのではないかと思います。
【注】この記事は、2012年から顧客向けプレゼントとして作成配布させて頂いている小冊子を、当時の文面そのままそのまま掲載しています。その後時は経過していますが、現在も十分お役に立てる内容であると思っています。記事の中の年月等につきましては、その旨をご理解を頂いた上でお読み頂ければ幸いです。
さて、遅ればせながら、初めまして!
チャレンジ・スペースの梶谷武史と申します。
お会いしたことがない方は
不動産屋と聞いて一歩引いてしまうかもしれませんが
私と会ったら、きっとビックリしますよ。
不動産屋らしくなくて!(笑)
どうか気軽に読んでくだされば嬉しいです。
さて、最初なのでこのレポート執筆の動機について少々!
最近、様々な方からアドバイスを求められます。
特に、これから起業・開業される方や
初めてオフィスや店舗を構えようとされている方から。
そして、自分なりに一生懸命お答えするわけです。
すると、とても感謝されるんですよ。
中には、目から鱗が落ちたような顔をされる方もいらっしゃいます。
でも、「そんなに凄い話したかな~?」
なんて思うことがよくあります。
で、それを知人に話してみると
業界にいる人にとっては当たり前のことでも
他の業界や、初めての人にとっては、新鮮で貴重な情報なんだ
とのこと。
それならば、「もっと多くの人が聞きたいはず!」
と、勝手に思い込んだのが執筆の動機の一つとなりました。
さて、もう一つの動機ですが
それは最初の「秘訣」にもつながるので
この辺で、「秘訣その1」にいってみましょう!
秘訣その1「そもそも一番大切なこと」
当レポート執筆のもう一つの動機。
それは「関わる方々の商売繁盛に少しでも貢献したい!」
という、私の勝手な熱い思いの存在です。
確かに、不動産屋としては、
できることには限りがあるのかもしれません。
一般的に、不動産屋がお客様から最も期待されていることは
希望する条件の物件を探して、ご紹介することです。
でも、探して、紹介して、それで終わりじゃ
何とも寂しいじゃないですか~。
せっかくのご縁なら
「その人の商売が何としても繁盛して欲しい!」
そう思うんですよ。心から。
私の今までの道のりが、そのような思いを駆り立てているのかもしれません。
さて、本題に入ります。
物件を用途で大きく分類すると
居住用と事業用とに分かれます。
そこで質問です。
利用する立場から考えて
この2つの違いは何でしょう?
答えは、利用の目的の違いです。
ちょっとだけ、小難しく考えてみると
居住用不動産の利用、つまり「住む」という活動は
一般的に、新たな付加価値を生み出すものではありませんよね。
だから、その利用は「消費」という活動になります。
すなわち、物件を利用すること自体が目的とも言えますよね。
一方、事業用不動産である、オフィスや店舗の場合は
商売や事業のために必要だから利用しているはずです。
すなわち、物件の利用自体が目的なのではなく
物件を利用しながら、事業を営むことが目的になります。
突き詰めて考えると
事業成功のために、物件自体が何かしらの役に立つことが
最終的な物件利用の目的になるはずです。
つまり、物件利用=事業のための「投資」ということになります。
逆に考えると、事業の目的とずれてしまった物件の利用は
事業のための「投資」ではなく、「消費」になってしまい
そもそも、事業用不動産の利用とは言えないのかもしれません。
だいぶ熱く語ってしまいましたが
個人的に、事業用物件の利用においては
利用目的の明確化がとても大切だと考えています。
私の経験上、テナント撤退の本質的原因の多くが
そもそもの利用目的の「ズレ」や「曖昧さ」にあると見ています。
さらに、いざ物件を目の前にすると
物件のマジックにかかりやすいんですよ。
物件のマジック?
不動産は、賃貸であっても、一般の商品やサービスに比べて
スケールや、金額が大きいじゃないですか。
そのためなのか、いざ物件を目の前にしてしまうと
ふとした瞬間に、感覚が麻痺してしまい
本来物件に求めていることが吹き飛んでしまいやすいんですよ。
これらの危険を冒さないためにも
オフィスや店舗など、事業用物件と接する時は特に
事業のため、そして商売繁盛のため、という本来の利用目的を
常に意識して持ち続けることが大切なのではないでしょうか。
ちょっと話が固すぎました?
でも、一番大切なことだと思っているので
最初にあえてさせて頂きました。
普通の不動産屋では、中々教えてくれないんじゃないかなあ~。
こういう熱い話は。
後悔しない物件探しをして頂きたい!
そして、商売繁盛して頂きたい!
そんな思いから、ついつい熱くなってしまいました。
ポイント!その1
物件を借りることが目的ではない。商売繁盛が本来の目的。
素敵な物件を目の前にしても「初心忘るるべからず!」
秘訣その2「後悔しないための基準の作り方」
まずは、私の笑い話から!
私は3年前(2009年)、レンタルオフィスのプロデュース業で独立しました。
同時に、起業家支援の活動もスタートしました。
「何? 起業したばかりの人間が起業家支援だと?」
「お前こそ支援される立場なんじゃないのか?」
いや~、ごもっともなお話です(笑)。
実は、私の起業動機の一つが
「起業家の活躍しやすい環境をつくり、日本の街を活性化する!」
というものでした。
そのような熱い思いがあってか
自分が駆け出しの起業家であることを完全に棚上げしてしまい
他人の起業支援に力を入れまくっていたのでした(笑)。
プロデュースしていたレンタルオフィスが
起業家をターゲットにしていたこともあり
そこを会場にして
さらには外部の会場とも連携して
様々なセミナーや交流会を開催していました。
その中では、今でも継続しているものもあるんですよ。
ほぼ100%ボランティアでしたね~(笑)。
でも、とても楽しかったです。
そして何よりも、様々な起業家の方々とお会いできたので
本当に色々なことを学ばせて頂きました。
さて、そんな経緯からか
起業家や中小企業の社長さんと接する機会が今でも多いのですが
私が不動産屋だとわかると、次のような質問を多々されます。
「今度、自分の事務所(店)を構えようと思うんだけど
どんな物件にしたらいいかな~?」
さて、そのような時、いつもお話しすることがあります。
「どんな物件にしたらいいかな~?」
確かに、一般の方にとっては
物件探しはそんなに頻繁に行うものではないため
必ずしも知識や経験が豊富な状態というわけにはいきませんよね。
それに、たとえ賃貸であったとしても、不動産は高い買い物になるので
あとで後悔することは何ともしても避けたいところですよね。
ということで、いつも具体的なお話しをさせていただく前に
自分だけの物件選びの基準作りに役立つ
次のような小話をさせて頂いています。
そこで不動産屋らしからぬ質問を一つ!
「本当に事務所(店舗)が必要ですか?」
借りてしまってから後悔しないためにも
ぜひ少しだけ時間をとって考えてみてください。
その際は、「事業」という視点を入れながら
次の2つのことをチェックしてみてください。
———————
・何のために?
・今、必要か?
———————
まず、業務上「何のために、どの位」のスペースが必要なのか
具体的に考えてみましょう。
例えば次のように。
「社員が2人で、取引先との打合せが多いので
事務机2つと4人用の応接セットが入るオフィスがほしい」
この場合は、オフィスを必要とする理由が具体的かつ明確ですよね。
さらに、必要な理由が事業内容ともリンクしているので
あまり心配は必要なさそうです。
逆に次のようなケースは、少々心配にならざるをえません。
「ライバル会社に負けないよう、立派なオフィスを構えたい」
戦略的な判断があればいいのですが
危険な判断とならないよう
事業内容との整合性をもう一度振り返ってみた方がいいかもしれません。
次に、「今」どのような物件が必要なのかもぜひ考えてみましょう。
事業の発展段階によって必要となるものは変化していくものです。
ともすると将来のことだけに気を奪われてしまい
つい大きなスペースが必要であると思いがちです。
しかし、いくら可能性のある事業だとしても
今現在の必要性と必ずしも一致するとは限りません。
例えば、スタートアップ期のベンチャー企業では
今現在のオフィスの必要面積と将来の必要面積とでは
異なることが多いものです。
また、物販でも
当面は無店舗の通信販売を行い
事業の成長とともに将来的には店舗を持つというケースもあると思います。
これらの場合、長期的な戦略があり
かつ予定通り事が運べば問題はないのですが
正直、中々、先を見通せない状態であるのならば
無理をせず、現在の身の丈に合った物件を選択することで
事業のリスクを低下させることもできるでしょう。
将来のことだけでなく
「今」の必要性についても冷静に見つめることが
大切なのではないでしょうか。
さらに、現実的な必要性のほかに
もう一つ検討しておきたいことがあります。
それは、自分(自社)にとっての
物件利用の「メリット」です。
面積や賃料など、目に見える条件とは異なる
自分が本来、オフィスや店舗に求めていること。
例えば、あるオフィスを借りる場合
どんなメリットが考えられるでしょう?
●スタッフや取引先と一同に会して作業ができるため、業務の効率が高まる
●家庭とは別の場所のため、創作活動に集中できる
●自宅に近いため、時間を気にせず仕事に打ち込める
●ビジネス街のオフィスビルのため、取引先からの信用が高まる
など、事業や人によって様々なメリットが考えられますよね。
あこがれの物件を目の前にしてしまうと
本来自分が物件に求めていることが吹き飛んでしまうのも人情です。
自分だけの基準作りのためにも
さらには初心を忘れて後悔しないためにも
物件選びの前に、少しだけ時間を作って考えることをおすすめします。
オフィスや店舗物件は非常に効果的なビジネスツールです。
ただし、必要性やメリットがないままオフィスや店舗を構えることは
逆に事業にとってマイナスにもなりえます。
せっかく自分のオフィスや店舗を構えるのであれば
何としても事業の発展につなげたいですよね。
そのためには
事業が「主役」!
物件は主役を引き立たせるための「脇役」!
という視点が大切ではないでしょうか。
ポイント!その2
物件選びの前に「事業」という視点でもう一度問い直してみる。
本当にオフィスや店舗を構える必要があるのか?自分にとってのメリットは?
秘訣その3「問合せる前にしておきたいこと」
物件を探す時、何から始めますか?
最近では、インターネットによる検索から
始められる方が多いかもしれませんね。
そして、ネットで事前に調べた上で
不動産屋に問い合わせを入れるのではないでしょうか。
中には、昔ながらの方法で
いきなり最寄りの不動産屋さんを訪問する方もいるかもしれませんね。
いずれにしても入口は何であれ
最終的にはいずれかの不動産業者に問い合わせを入れることになるでしょう。
その際、ぜひ事前に考えておいた方がよいことがあります。
それは次の2つです。
————————
・希望条件の整理
・優先順位の決定
————————
「秘訣その2」では
自分にとっての物件を借りる「必要性」や「メリット」を
考えることの大切さについて話題にしました。
ただ、これをそのまま相手(不動産屋)に伝えても中々伝わりません。
自分の要望や思いが相手にきちんと伝わるよう
具体的かつ明確な言葉に置き換えてあげる必要があります。
そのためにも
まずは物件に対する「希望条件」を具体的に整理してみましょう。
いざ、不動産業者とコンタクトをとる段階で
自分の希望条件を明確に伝えることができると
希望に近い物件が紹介される確率が高まるだけでなく
物件探しの効率も格段にアップします。
例えば、以下のような内容について
できるだけ整理しながら希望条件を列挙してみましょう。
●入居時期
●契約者(法人・個人)
●用途(事務所、店舗、事務所兼住居など)
●物件種別(事務所ビルタイプ、マンションタイプ、戸建店舗など)
●エリア(地域、沿線、最寄駅、駅徒歩)
●必要面積
●築年数・耐震性
●賃料等の上限
●初期費用の支払限度
●利用時間(土日祝日、24時間など)
●駐車場・駐輪場(必要台数、車高など)
●設備(電気容量、電話、ネット環境、空調、トイレ、水回りなど)
こうやって考えてみると
意外と細かいことがたくさん出てくると思いませんか?
さて、希望条件の整理がある程度できたら
次は、優先順位をつけてみましょう。
正直なところ
全ての希望を兼ね備えた物件は中々ないものです。
だからこそ
「これだけは譲れない!」
ということを事前に考えておくことはとても大切ですよね。
また、希望条件があまりにも多岐に渡っていると
探すだけで莫大な時間を要してしまうだけでなく
最終的に迷いが生じる原因にもなりかねません。
では、優先順位を決めていきます。
まずは、各々の希望条件内での優先順位を決めましょう。
例えば、希望のエリアが
都内城南3区と広範囲に渡っているケース。
1.目黒区 2.世田谷区 3.大田区
こんな感じで優先順位をつけてみました。
これによって、まずは目黒区の物件探しを集中して行うことができます。
もし良い物件がなければ
世田谷区、大田区へと範囲を広げていくことになります。
次に、全ての希望条件間での優先順位を決めましょう。
物件探し全体の視点から考えてみて
どの希望条件を優先する必要があるかを決めます。
1.エリア 2.面積 3.賃料
このように決めた場合は
何よりもエリアを優先して物件を探します。
その上で、希望面積が確保でき
さらに、上限賃料内で収まる物件を探していく
という流れになります。
実際には、このようにスンナリいくことは稀ですが
こうやって考えるだけで
大変に思えていた物件探しが
少しは効率的で楽しく思えてきませんか?
何でも優先順位を決めて
一つづつ、できることから進めていく。
物件探しでも同じなのかもしれませんね。
ポイント!その3
不動産業者へコンタクトを取る前に、伝えるべき要望や思いを再確認。
希望条件を具体的に整理する!優先順位を決定する!
秘訣その4「惑わされない物件探しの方法」
これまでは、実際に物件探しを始める前までに考えておきたい
心構えや条件整理などについて話してきました。
ここからは物件情報を色々と実際に見ていく段階についての話です。
さて、物件探しにはどんな方法があるでしょう?
最近では、やはり
インターネットを使って物件探しを始められる方が多いですよね。
一方、インターネトを使わない方や、法人さんなどでは
直接、不動産業者に物件探しを依頼する方法が一般的なのかもしれません。
ではここで、それらも含めて
物件探しの方法を大まかに、ざっくりと整理してみます。
それによって、流行や他人に惑わされず
自分に合った方法で物件探しをして頂ければと思っています。
さて、物件探しの方法は
ざっくりと次の3つに分類できます。
——————————
・自分で探す
・人に探してもらう
・媒体を利用して探す
——————————
まずは、原始的と思われるかもしれませんが
自分の足で、街を周って物件情報を収集する方法が考えられます。
もしくは知人を頼って物件を紹介してもらうことも考えられます。
原始時代(?)ではないですが
不動産屋や物件情報を発信する媒体がない場合は
自分の足で探すか、知り合いのつてを手繰っていくしかないわけですよね。
でも、これで望みの物件が見つかるのであれば
わざわざ不動産屋を周ったり、ネットで検索する必要はないわけです。
何よりも、自分の目で実際に確認することができたり
信頼できる人からの紹介であったりなど
安心感が違いますよね。
ただ、色々な事情や条件が重なって
中々思うように目当ての物件を見つけることができなかったり
忙しくて自分で探す時間がなかったりする場合もあるわけです。
それで、そのようなケースにおいては
その他の方法で探していかざるを得ない
という流れになるわけです。
では、何らかの事情や条件で
自分で物件探しができない人はどうすればいいのか?
そう!人に頼むしかありませんよね。
そして、他人の物件探しのお手伝いをする人
それが不動産屋です。
不動産業者という専門家に物件探しを依頼することによって
自分の代わりに物件探しをしてくれるだけでなく
自分だけでは探すことができない物件情報に接する機会も増えてきます。
さらに、専門的なアドバイスをもらいながら
物件探しを進めることもできるようになります。
もちろん不動産屋には色々種類があります。
扱う物件の種類や対象とする客層
サービスのスタイルなど色々あります。
そのため自分に合う業者を選択する必要はあります。
さて、もう一つの方法である
媒体を利用した物件探しとはどのようなものでしょうか?
それは今や最もポピュラーな手段ともなっている
物件紹介サイトや業者のホームページ、不動産情報誌などを
検索、閲覧、購読しながら始める物件探しです。
まず、これらの媒体から目当ての物件情報を収集するためには
ある一定の作業が必要になってきます。
例えば、ネットの不動産ポータルサイトから物件情報を集めるためには
パソコンやインターネット回線を利用できる環境を用意した上で
検索条件を入力し、好みの物件情報を絞り込んでいくことになります。
また、不動産情報誌から物件情報を収集するためには
駅などにある情報誌のラックまで自ら取りに行った上で
目次を見て、ページをめくりながら、好みの物件情報を探していきます。
ということで、媒体を利用した物件探しには
事前にある一定の準備が必要になるということと
さらに、大量の情報をカスタマイズする必要が出てきます。
しかし、専門業者でもないのに
これだけの大量の情報に接することができるのは、正に媒体のお陰であり
使いようによってはとても便利な物であります。
そのため、インターネットやフリペーパー等のインフラが充実した昨今では
非常に多くの方がこれらの媒体を利用して物件探しを始められています。
ただし、ぜひ次のことだけは頭に入れておいて頂きたいと思います。
それは、これらの情報は必ず誰かが発信しているという事実です。
しかも、発信したい情報だけが発信されているということです。
つまり「広告」だということです。
そのため、自分にとって適した物件かどうかは
当然自分で判断していく必要が出てきます。
なぜなら、発信している人の意図は完全にはわからないからです。
また、発信者は該当物件を扱っている不動産業者が大半となります。
そのため、本質的には、不動産屋からの物件紹介とも言えるかもしれません。
しかし、先にお話しした不動産屋に手伝ってもらう物件探しとは異なり
あくまでも顔と顔を合わせていない関係で、広告として受け取った情報である
ということは頭に入れておく必要があるでしょう。
それらを割り引いた上で上手に利用していくなら
とても便利で有益な物件探しのツールと言えるのではないでしょうか。
自分の足で探す物件探しと
人(業者)に依頼する物件探しの
ちょうど中間といった感じの方法かもしれませんね。
いかがでしたか?
物件探しの歴史を振り返るようでしたが
本質的なことを押さえておくことによって
トレンドに振り回されずに
腰の据わった物件情報の利用ができるのではないでしょうか。
ポイント!その4
物件探しの方法はざっくり3つ。自分で探す。人に頼む。媒体を利用する。
各方法の本質を押さえる!状況に合わせて物件情報を利用する!
秘訣その5「不動産屋って同じだと思っていませんか?」
不動産屋、不動産会社、業者など呼び方は様々ですが
不動産屋って、結局みんな一緒だと思っていませんか?
物件を紹介して、案内をして、契約をして、最後に手数料を取って
結局、どこも同じことやっているだけでしょ!
という認識が一般的なのではないでしょうか。
ところで、こんなことを考えたことありませんか?
「駅前に昔からある不動産屋って
店の中にお客さんがいるのをほとんど見ることないのに
何でやっていけるのかな~?」
確か、最近、似たようなタイトルの本が売られていたと思います。
実は私も、昔はそれが不思議で仕方ありませんでした。
でも、今は業界にいるので
もちろんその理由はわかりますが。
一方、人通りの多い、目抜き通りに店を構える不動産屋には
ガンガンお客さんが入っていて、元気に営業していますよね。
この違いは何なのでしょうか?
ということで、ここで一度
物件探し(不動産仲介)にまつわるプレイヤーを簡単に整理してみます。
それによって、相手(不動産業者)の得意分野を見極め
最適な物件探しのパートナーを見つけて頂ければと思います。
ただし、ここではあくまでも事務所や店舗探しにも関係する
賃貸不動産の仲介にまつわる関係者に絞ってお話しします。
さて、賃貸物件の仲介における関係者には
主に次の4つのプレイヤーが存在します。
——————————–
・物件オーナー
・管理会社(元付業者)
・仲介会社(客付業者)
・広告業者
——————————–
まずは、最初のプレイヤーである物件オーナー
物件の所有者について。
何と言っても
物件の所有者さんがいなければ
そもそも賃貸物件はこの世にありません。
借主さんが最終的に賃貸借契約を結ぶ相手であり
家賃を支払う相手でもあります。
さて、一般的に物件オーナーさんは取引の前面には出てきません。
たいていは近隣や、知己の不動産業者に物件の管理を任せています。
不動産オーナーは物件の所有者ではあっても
あくまでも物件の管理や不動産取引のプロではありません。
(中には、不動産業者がオーナーでもあるケースもありますが)
そのため、入居者の募集や契約の締結
そして物件の管理に至るまで
専門家である不動産業者に委託しているケースが多いわけです。
そこで登場するのが
2番目のプレイヤーである管理会社です。
仲介の現場では元付業者とも呼ばれたりしていますが
物件オーナーから物件の管理や入居者の募集を任されている不動産業者です。
物件オーナーに代わって入居者対応をしたり
空室がある場合には入居者の募集をしたり
入居決定の暁には契約書の作成業務なども行います。
実は、先に話題にした「昔からある駅前の不動産屋さん」は
たいていが、このタイプの立場で仕事をしているケースが多いのです。
地域の物件オーナーさん達と長い時間をかけて関係を構築し
多くの物件の管理を任されているわけです。
店頭にお客さんがいるいないに関わらず
一般の人が見ていないところで仕事をしています。
そして、管理している物件に空きが出ると
広告や業者間情報を出して募集をかけるわけです。
そして、そこに登場するのが
3番目のプレイヤーとなる仲介会社です。
同じく、仲介の現場では客付業者とも呼ばれたりしていますが
入居者を集めて、適した物件を紹介する不動産業者です。
実は、管理会社(元付業者)は
自ら広告や自社サイトで入居者を募集する以外に、業者間情報を流して
集客力のある客付業者の力を使って入居者を集めています。
昔からある駅前不動産屋などでは
自ら広告活動はせずに、業者間情報だけを流して
集客は専門の客付業者に任せているケースの方が多いのではないでしょうか。
だから先程のように
駅前不動産屋の店頭にはほとんどお客さんがいないのに
やっていける、という現象が起こるわけです。
さて話を戻して、客付業務を行う仲介会社は
これらの空室情報を集めて、自社サイトや物件広告を展開します。
そして、自社への集客を促し
お客様と物件のマッチングを行います。
店舗も人通りの多い場所に立地しているケースが多く
お客さんをたくさん集めることに力を入れています。
一般の方が物件探しをする時には
こちらのタイプの不動産業者と接するケースが多いのではないでしょうか。
また、取扱物件
すなわち、紹介される物件からみても
管理会社(元付業者)からは
あくまでも自社の管理物件を中心とした紹介になる場合が多いですが
仲介会社(客付業者)からは
各社のスタンスにもよりますが、営業エリア内であれば
様々な物件を紹介してもらえることが可能になります。
ただし、一つだけやっかいなのは
元付業者や客付業者として、明確に分かれているわけではないのです。
例えば、ある業者は
オーナーから預かっている管理物件をたくさん持ってはいるが
他社で管理の物件も紹介していたりするケースも多々あります。
一方、他社管理の物件をメインで紹介している客付中心の業者であっても
幾つかは自社管理の物件も扱っているケースがあったりするわけです。
このように
業者のスタンスや業歴などによってもマチマチで
一概には割り切れない部分があるのが実態です。
さて、最後に登場するプレイヤー
広告業者についてです。
こちらは、みなさんが最も身近に接しているのではないでしょうか。
ヤフーやアットホーム、ホームズなどの不動産情報サイト
それに、リクルートなどが出している不動産情報誌などですね。
これらの広告媒体を提供している会社は
仲介業務を行う不動産会社ではなく
物件広告が掲載される媒体を提供している広告会社です。
つまり、仲介業務を行う不動産業者からの出稿を受けて
物件広告を掲載する媒体を提供しているわけです。
各媒体への広告掲載には一定のルールがありますが
掲載内容、すなわち物件情報の中身については
各不動産業者が持ってきた情報が掲載されます。
そのため、最終的に、掲載されている物件情報への問い合わせや対応は
掲載を依頼した各不動産業者が責任を持つことになります。
要は、一般の広告媒体と同じだということです。
以上、簡単ではありますが
一般的な物件探しに共通するプレイヤーをご紹介しました。
いかがでしたか?
既にご存知の内容もあったかとは思いますが
業界内の仕組みを初めて知った
という方もいらっしゃったのではないでしょうか。
物件探しのパートナーに良い働きをしてもらうためにも
事前に相手の得意分野を見極め
ある程度、相手の立場を把握しておくことも大切なのではないでしょうか。
ポイント!その5
業者の得意分野を引き出すためにも、物件探しにおける各プレイヤーを知る!
物件オーナー、管理会社(元付業者)、仲介会社(客付業者)、広告業者。
秘訣その6「意外と知らない仲介手数料の仕組み」
仲介手数料は
いつ、誰に、何に対して
支払うものなのかご存知ですか?
「そんなの、当たり前のことじゃないか!
物件の仲介を依頼した時に
不動産屋に支払うものに決まってるだろう!」
という答えが返ってきそうですが
ここで一度、改めて
仲介手数料とは一体何なのか?
について考えてみましょう。
そもそも、仲介手数料はどのような時に発生するのでしょうか?
そうですね。
不動産屋で物件を紹介してもらって
実際に物件を借りたり、売買した時に発生します。
ここで
「実際に」とか、「借りた」とか、「売買した」
と言っているのは
仲介手数料は法律によって
業者は取引が成立して初めて受け取ることができる
と定められているからです。
ということは
物件の紹介を受けたり、現地の内覧をしただけでは
仲介手数料は発生しないということです。
さて、不動産仲介(斡旋)を業務として行うためには
宅地建物取引業(宅建業)の業者免許が必要になります。
そして、宅地建物取引業法(業法)では
「宅建業」とは
●自らが行う宅地や建物の売買や交換
●売買や交換、貸借をするときの代理や媒介(仲介)
を業として(反復継続して)行うものと定義されています。
さて、当レポートでは、事務所や店舗探しなど
事業用賃貸物件に焦点を当てているため
賃貸借の場合についてのみ考えてみると、次のようなことがわかります。
まずは、物件を自ら所有し、賃貸している大家さんの仕事は
宅建業には該当せず、免許が必要ないということです。
そして、他人の物件を紹介する仕事、すなわち仲介(斡旋)を行う場合には
宅建業の免許が必要になるということです。
さて、宅建業法では
免許を持っている業者が守らなければいけないことを
たくさん規定しています。
その中に、業者が受け取る仲介手数料の金額について
取引に関わる全ての業者が収受することができる上限は
仲介物件の賃料一ヶ月分までと定められています。
以上、法律的なちょっと小難しい話が続いてしまいましたが
賃貸物件の取引について、簡単にまとめてみました。
—————————————————————
・仲介業を行うには宅建業の免許が必要
・大家業は宅建業の免許が不要
・宅建業法では仲介手数料の上限がある
・仲介手数料は取引が成立して初めて発生する
—————————————————————
さて、ここからは、これらを前提に
物件を借りる時、実際にどうなるのか?
について見ていきましょう。
その前に、「秘訣その5」でお話しした
賃貸物件の取引における関係プレイヤーを思い出してみてください。
●物件オーナー
●管理会社(元付業者)
●仲介会社(客付業者)
●広告業者
以上の4つの関係者がいましたよね。
まずは、物件オーナーから直接物件を借りた場合です。
この場合は、仲介手数料は発生しません。
なぜなら、仲介(斡旋)という業務自体がそもそも存在しないからです。
それに物件オーナーは仲介手数料ではなく
賃料で収益を上げています。
自分で好みの物件のオーナーさんを探し出したり
知り合いのオーナーさんの物件に入居することができるのであれば
仲介手数料はいらなくなるわけです。
次に、広告業者についてです。
こちらは「秘訣その5」でもお話ししたように
あくまでも不動産業者からの依頼をもとに
物件情報など、広告を媒体に掲載しているだけです。
そのため、当然、仲介(斡旋)業務をしているわけではなく
仲介手数料は発生しません。
逆に、免許を持っていない業者は仲介をすることはできないので
当然、仲介手数料は発生しません。
さて、残りの2つのタイプの不動産業者のケースについてです。
まずは、仲介会社(客付業者)ですが
こちらは、物件オーナーから預かっている自社管理物件ではなく
他社が管理している物件を紹介するケースですね。
自社の管理物件ではない、他社の管理物件の仲介においては
まさに仲介手数料が業者の主な収益源となります。
仲介会社が顧客を連れてきて、入居が決定した場合
仲介手数料は全て仲介会社がもらうケースが一般的です。
以前は、物件を管理している管理会社と折半のケースも多かったようですが
昨今の市況からか、借主さんを連れてきてもらうためにも
仲介会社が受け取るケースが主流になってきています。
ただ、もう一方のプレイヤーである管理会社(元付業者)は
仲介手数料を受け取ることができなくて大丈夫なのでしょうか?
疑問に思いませんか?
実は、管理会社は、ここで入居者が決まることによって
物件オーナーから任されいる管理物件に対する管理業務が発生し
仲介業務とは別に収益を上げていくことができるようになります。
逆に、空室のままならば
物件の管理業務をすることができないだけでなく
任されているオーナーからの信頼も失いかねません。
そのため、管理会社としても
仲介手数料をとらなくても
何としても入居者を決めたいわけです。
さて、もしお客さんが
物件の管理をしている管理会社(元付業者)から直接、物件の紹介を受け
その物件に入居を決めた場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、仲介会社ではなく
管理会社自身がお客さんを連れて来て、仲介を成立させたことになるので
管理会社が仲介手数料を受け取ることになります。
以上より、借主さんは、紹介を受けた業者が
当該物件を管理する管理会社(元付業者)であろうが
または、他社管理物件を紹介する仲介会社(客付業者)であろうが
結果的には
同じ金額の仲介手数料を支払うことになるのが現状は一般的となっています。
ただし、ここで一つ
次のような疑問が出てくるわけです。
「仲介手数料を半額や無料にうたっている不動産屋があるじゃないか?」
これについては、一部推測も入りますが
次のどれかに該当するのではないかと考えられます。
●管理会社(元付業者)が自社の管理物件を紹介している場合
●仲介業務以外の仕事を借主さんから受けている場合
●お客さんが自ら探した物件の場合
要は、仲介業務以外で他に収益を上げることができる場合か
仲介業務の業務負担が軽くなる場合
のどちらかではないかと考えられます。
例えば、管理会社であれば
先の通り、借主さんから仲介手数料をもらわなくても
物件の管理業務から、別途収益を上げていくことができるわけです。
このパターンが一番多いのではないでしょうか。
また、チャレンジ・スペースでは
お客さん自らが見つけてこられた物件に関しては
手数料半額で仲介業務をさせて頂いています。
これは、物件探しの作業が大幅に軽減されるため可能となります。
一方、最終的にオーナーサイドとの条件交渉や
契約書の作成、締結など、責任ある業務を行うため
半額は頂くようにしています。
※ただし、同時にその他の物件のご紹介もさせて頂く場合は
通常の手数料を頂戴させて頂いております。
詳しくは別途お問い合わせ下さい。)
さて、いかがでしたか?
手数料だけでなく
業界の仕組みも少しイメージできたのではないでしょうか。
納得感のある物件探しをするために、お役立て頂ければ幸いです。
ただし、ここで一つだけお断りしておくと
先に登場した賃貸仲介における4つのプレイヤーは
「秘訣その5」でもお話ししたように、明確に区分できるわけではありません。
物件毎に業者が様々な立場で関わっているということです。
できれば、業者単位ではなく
物件単位で、その都度意識してみると
色々と見えてくるのではないでしょうか。
いずれにしても、後悔のない
そして、納得感のある物件探しをするためにも
自分に適したパートナー探しが大切になってくるのではないでしょうか。
ポイント!その6
仲介手数料には法律による上限がある。相場は賃料の一ヶ月分。
一部、手数料が無料や半額の物件もある。ただし、それぞれ根拠があるはず。
秘訣その7「不動産屋との接し方のポイント」
これまでは、物件探しにまつわる様々な方法や関係者、手数料などについて
賃貸不動産仲介における大枠を眺めてきました。
ここからは、少し具体的な話をしていきたいと思います。
ということで
ここでは「不動産屋との接し方」についてです。
物件探しには幾つかの方法があり
その中の一つの方法が
不動産屋に物件探しを手伝ってもらうことでしたよね。
また、物件探しの入口は何であれ
最終的に関わることになる不動産屋。
では、実際に不動産屋に物件探しを手伝ってもらう時に
押さえておきたいポイントを3つ程ご紹介します。
—————————————
・相談受ける姿勢をチェック
・業者の力を目一杯引き出す
・自分に合う物件か確認する
—————————————
ところで、どうぜ仲介手数料を払うのであれば
不動産屋をうまく使った方が得だと思いませんか?
きっとこのレポートを今まで読んで頂いている方なら
すぐにお分かり頂けると思うのですが
「秘訣その6」でも取り上げた仲介手数料について考えてみると
現状では、一部の業者や物件を除いては
仲介手数料は賃料の一ヶ月分が相場になっています。
それならば
できるだけ不動産屋に自分のことを理解してもらった上で
自分のために働いてもらった方が得策ですよね。
そもそも自分で物件を探すことができるのであれば
不動産屋に依頼する必要なんてないはずです。
でも、何らかの事情で不動産屋に依頼するのであれば
できるだけ自分の思いを汲んで
サポートしてくれる業者に依頼したいですよね。
そのためにも一番大切なことは
物件探しの相談を初めてする時に
いかに自分の話に耳を傾けてくれるかとうことです。
前にもお話したように
不動産屋には様々なタイプや営業スタイルがあり
それぞれ得手不得手や様々な事情も抱えています。
さらに各業者ごとに
営業エリアや手持ちの物件などの制約もあります。
しかしそれでも、本来どんな不動産屋であっても
目の前のお客様の希望条件をじっくりお聞きし
相談を受けることはできるはずです。
でも、それができないのは
やれない事情、つまりやりたくない理由
があるからなのではないでしょうか。
以上より、まずは何よりも
自分の相談に真摯に耳を傾けてくれるかどうか
ということをチェックしてみてください。
次の段階で大切なポイントは
いかに不動産屋に力を発揮してもらうか
ということです。
昨今はインターネットの普及により
一般の方でも多くの物件情報に接することができるようになりました。
しかし、これらは目的は何であれ
あくまでも業者が出している広告情報です。
そのため、ある程度、内容の吟味が必要になってきます。
広告されている物件は、広告する必要がある物件だからです。
物件情報の取得という面では便利になっているのですが
実は以前にも増して目利きの能力が必要になってきているとも言えます。
以上より、ネットをはじめとする広告媒体からの情報収集は
あくまでも目安と捉えて利用するのがいいのではないでしょうか。
そして、せっかくプロに物件探しを依頼するのであれば
その情報収集能力と目利きの能力をフルに発揮してもらい
自分に合う物件を提案してもらったらいかがでしょうか。
そうすれば、収集できる物件の母数を増やせるだけなく
広告掲載情報だけでは判断できない内容も吟味の上で
効率的で適格な物件探しができるのではないでしょうか。
さて、最後にもう一つ大切なポイントがあります。
それは、紹介された物件が本当に自分に合うのかのチェックです。
いくら信頼できるパートナーに出会えたからと言って
ノーチェックで任せっきりというのは流石に良くないですよね。
相手が良かれと思った事でも
自分の要望を勘違いしている可能性だってあるわけですし。
そういった意味でも、自分でもチェックする必要性があるわけです。
最終的には現地内覧が最も大切な確認方法ではありますが
その前に一つコツがあります。
それは、不動産屋から物件を紹介された時に
次のように質問してみてください。
「この物件はどのような理由で私に紹介してくれたのですか?」
でも、みなさん大抵
次のように訊いてしまいます。
「この物件はどこが良いのですか?」
違いが分かりましたか?
そうですね。
後者のように訊いてしまうと
確実に物件のピーアールが始まってしまいます。
そうなって当たり前ですよね。
でも前者の訊き方であれば
主人公は「物件」ではなく「あなた」になるわけです。
いかがでしたか?
小さな事かもしれませんが
相手との接し方次第で
相手の出方も変わってくる可能性は大きいものです。
不動産屋の力を目一杯引き出して
効率的かつ効果的な物件探しをして頂ければ幸いです。
ポイント!その7
どうせ仲介手数料を払うのであれば、不動産屋を上手に使う。
業者の姿勢をチェック!業者の力を引き出す!主人公は「あなた」!
秘訣その8「様々な不動産屋の種類」
これまでに、元付業者や客付業者などの言葉をご紹介しながら
不動産屋の立場についてお話ししました。
しかし、それはあくまでも提供側
つまり業者サイドの立ち位置の違いの話で
物件を探しいるお客さんからすると中々違いはわからないものです。
ということで、ここでは
お客さん(借主さん)の立場からも、よくみればわかる
様々な不動産屋の種類について見ていきます。
そんなこと言ったって
不動産屋はどこも一緒だよ!
なんていう声も聞こえてきます。
確かに、一般の方々にとっては
不動産屋と接する機会はそんなに数多くあるわけではないので
どこも同じに見えてしまうのかもしれませんね。
でも、これからお話しする内容を読んで頂ければ
不動産屋も意外とバラエティに富んでいることに
頷いて頂けるのではないでしょうか。
自分に合った不動産屋を見つけて頂くためにも
バラエティに富んだ不動産屋の一端をご紹介します。
ただし、当レポートではいつものように
事務所や店舗探しをされている方々を主な対象としているため
今回も賃貸の物件探しに限定した内容とさせて頂きます。
———————————
・街の不動産屋
・大手仲介チェーン店
・大手オフィス仲介会社
・その他専門不動産会社
———————————
まず、不動産屋と聞いて思い浮かぶのは
大抵、駅前や街の中心地に昔からある
街の不動産屋さんですよね。
長いことその土地で営業していて
一般的には、物件オーナーから預かった管理物件を中心に
物件の管理や仲介をしています。
住宅地ならマンションやアパートなどの住宅を中心に
また、繁華街なら店舗物件や事務所など
その街に根差した物件を中心に営業しています。
次は、大手仲介チェーン店です。
最近は、人口や乗降客の多い街や駅前には
必ずと言っていいほど
有名なチェーン店の不動産屋さんがありますよね。
代表的なお店は
アパマンショップやエイブル、センチュリー21などですね。
これらは直営店舗もあるのでしょうが
フランチャイズ店舗が多いようです。
チェーン店のネットワークを生かして
物件情報をたくさん収集しながら
多くの物件を取扱っています。
主に住宅を中心とした物件を取扱っています。
そのブランド力とネットワークを駆使して
先程の街の不動産屋さんの管理物件なども大量に収集し
それをインターネットや情報誌、または各種広告宣伝を織り交ぜながら
大量集客して営業しています。
立地も、街の一等地に店舗を構えているケースが多く
明るく活気のある店舗には、土日ともなると
多くの人がカウンターで相談されている光景をよく見かけますよね。
さて、その次は
大手オフィス仲介会社です。
ここからは意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
一般の方々にとっては接する機会が少ないだけでなく
その存在自体、知らない方も多いのではないでしょうか。
いわゆる、大都市の駅前にあるオフィスビルや
最新のインテリジェントビルなどは
ネットや街の不動産屋などではあまり募集されていません。
一般的には
オフィス専門の仲介会社などを通して物件が募集されています。
そのオフィス専門の仲介会社は数は少ないのですが
全国の主要都市の大規模オフィスビルをカバーしています。
法人営業スタイルで
オーダーメイドの仲介サービスを提供しています。
大企業もしくは中堅企業が主な顧客層なのではないでしょうか。
最後に、その他の専門不動産会社についてです。
実は探してみると、以外とバラエティに富んだ不動産業者があるものです。
先程の大手オフィス仲介会社同様
特定の用途や顧客などに特化した物件を取扱っている業者です。
例えば、店舗専門、中でも居抜き店舗専門なんていう業者もあります。
また、倉庫や工場を専門にしている業者もあります。
その他にも、様々な専門性を持った個性的な不動産業者がありますので
ぜひ探してみて下さい。
これらは元々、専門特化して始めたケースもあるのでしょうが
営業している立地などから、自然とある物件に特化した営業になってきた
などのケースもあるのではないでしょうか。
ちなみに、当社は
中小企業・起業家などの法人や事業主さんを対象に
オフィスや店舗の仲介、それに社員さんやご家族の住宅の手配など
中小企業の事業用に特化したサービスを提供しています。
いかがでしたか?
一口に不動産屋と言っても
意外とバラエティに富んでいると思いませんでしたか?
自分に合った物件探しをして頂くためにも
自分に合う不動産屋を見つけて頂ければ幸いです。
ポイント!その8
様々な種類の不動産屋の中から、自分に合う不動産屋を見つける。
街の不動産屋?チェーン店?大手オフィス仲介会社?その他専門不動産会社?
秘訣その9「希望に近い物件を探すコツ」
「秘訣その7」で、不動産との接し方のポイントについてお話ししました。
ここでは、それに関連して
不動産屋を通じた物件探しにおける
希望条件に近い物件の探しのコツについてお話しします。
ところで、物件探しのクライマックスでもある条件交渉においては
中々、業者からは本音の話を聞くことは難しいのが現実です。
なぜなら、賃貸に関して言えば
不動産業者の仲介手数料は賃料の1ヶ月分が上限のため
できれば賃料の値引きは避けたいというのが本音だからです。
不動産業者だけなく、貸主サイドとしても
当然ながら賃料の値引きは避けたいはずです。
さらに、オーナーから物件の管理を委託されている管理会社も
物件オーナーと同じ気持ちが本音でしょう。
一方、昨今の賃貸市場においては
貸主としても、また不動産業者としても
中々そのようなことを言っていられないというもまた事実です。
しかしながら、貸主や業者の隠れた本音がある以上
不動産取引の素人でもある一般の借主さんにとっては
条件交渉の現場においてはアウェーの立場に置かれやすいのが現実です。
そこで、一般のお客様が不動産業者に依頼する物件探しの現場において
少しでも希望する条件に近い物件探しをして頂くためのちょっとしたコツを
ここはあくまでも借主さんの立場になって幾つかご紹介します。
ただし、当レポートではいつものように
事務所や店舗探しをされている方々を主な対象としているため
今回も賃貸の物件探しに限定した内容とさせて頂きます。
———————————————
・不動産屋と信頼関係を構築する
・自分の希望条件の本音を伝える
・自他共に無理のない取引をする
———————————————
まずは何よりも、物件探しのパートナーとなる不動産業者との間に
信頼関係を構築することが、効果的な物件探しの大前提になります。
自分のために動いてもらうためにも
自分のことをよく知ってもらう必要があります。
でも警戒心を抱いてしまう相手であったり
信頼関係の構築ができていなかったりすると
当然、自分のことを話すことはできませんよね。
まずは、数ある業者の中から
自分が信頼の置ける業者を探し出す必要があります。
そしてその上で
物件探しのパートナーとしての信頼関係を構築する必要があります。
もちろん、相手である業者側には
お客様以上に信頼関係構築に向けた努力が必要なのは言うまでもありません。
次は、ある程度、信頼関係を構築することができたら
自分の本音を相手(業者)に伝えてみてください。
物件探しにおける本音の希望条件や
自分の置かれた状況や環境など
話せる範囲で本音を伝えてみてください。
個人的には、ここがとても大切なポイントだと思っています。
例えば、物件探しを依頼され
お客様から希望の条件を伺ったとします。
お客様から言われた条件で物件探しをしてみると
相場は希望の賃料より高かったりすることが多々あります。
このような時は、大抵
賃料や各種条件に幅を持たせて、多くの物件をご紹介することになります。
その上で、現実を把握して頂き
条件を考え直してもらったりします。
そして、最終的に折り合いのつく物件を見つけていきます。
このような探し方はだいぶ回り道ではありますが
実はよくある一般的なパターンでもあります。
ひょっとしたら、ネット等で事前に相場を把握された上で
あえて業者に伝える希望賃料を相場より低く設定して
物件探しを依頼されるケースなのかもしれません。
しかし、最終的に賃料交渉がまとまれば本当に良いのですが
そうでない時は、再度、賃料条件等を検討し直して
一から物件探しをやり直す必要が出てきてしまいます。
でも、このようなケースでは
無意識的であるにせよ、意識的であるにせよ
依頼している業者に自分の希望の本音が伝わっていない状態にあります。
そして結果的には
時間的かつ精神的なロスが発生してきてしまいます。
せっかく、人(業者)に物件探しを依頼しているのに
非常にもったいないことですよね
確かに、お客様の側からすると
先にも話したように、低い賃料の物件の紹介や賃料の値引き交渉について
業者は積極的にならないのではないかという疑心暗鬼もあるのでしょう。
また、一般的に
不動産屋に対する警戒心のようなものもあり
中々、自分の思いや本音をぶつけることにもためらいがあるのでしょう。
でも、真の信頼関係が構築できている業者であれば
お客様の要望をくみ取った物件探しをしてくれるはずですし
適正な条件交渉であれば当然してくれるはずです。
そして何よりも、自分の希望の本音をきちんと伝えておかなければ
紹介される物件は、当然依頼主の本当の希望とは乖離してきますよね。
それでは人に頼んだ意味がなくなってきてしまいます。
信頼関係の構築が条件にはなりますが
お客様は、本音を伝える。
業者は、お客様の希望に忠実に行動する。
これが基本になるのではないでしょうか。
さて、最後にもう一つ。
それは、自他共に無理のない取引をする
ということです。
不動産業者は、取引に応じて
借主サイドや貸主サイド、または両者の中間など
様々な立ち位置に介在しています。
しかし、仲介という、貸主と借主をつなぐ業務においては
両者が納得して取引を行うサポートが最も大切なことになります。
特に、賃貸借契約は長期に渡る関係となるため
初めに少しでも無理をしてしまうと
その後、どこかに歪みが出てくる可能性が大きくなります。
それは様々な面で可能性があります。
借主さんの側だけでなく
貸主サイドにも当てはまります。
内容的には、金銭面だけでなく
人間関係や対外的な面にも及びます。
それを避けるためにも
自分だけでなく、相手にとっても無理のない取引をすることが大切です。
賃貸借関係は文字通り、貸し借りの関係です。
貸す側がいるから借りる側がいる。
逆も然り、借りる側がいるから貸す側がいる。
最後に、個人的にはオーナーサイドとの条件交渉のコツは
自分の希望条件を伝えるだけでなく、
相手(貸主)の本音を聞き出すことにあると考えています。
以前とは違い、オーナーサイドも
だいぶ話を聞いてくれる環境になっていることは事実です。
ならばなお一層、両者の求める良好な長期的賃貸借関係の構築のためにも
相手の意見も組み入れた落とし所を見つける交渉努力は
自分の希望に近づけるためにも効果的手段になるのではないでしょうか。
このような一連の物件探しの流れを
信頼できるパートナーとともに計画かつ実行できるのであれば
自分の希望に近い物件を探せる確率は格段と高まるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
物件探しにおいて自分の希望を叶えるコツには
何も特別なことがあるわけではなく
一般の他の取引と根本的には同じだと思いませんでしたか?
自分の希望を満たす
かつ後悔のない物件探しをして頂ければ幸いです。
ポイント!その9
希望条件に近い物件を探すコツは実はシンプル。
業者との信頼関係構築!自分の希望の本音を伝える!無理のない取引をする!
秘訣その10「自分に合う不動産屋の選び方」
さて、当レポートでは、これまで
物件探しにおける基本的知識や心構えについてお伝えしてきました。
そもそも、最初から台本があったわけではなく
初めて事務所や店舗を探している方々が
本当に知りたいことをお伝えしようと必死に書いていたら
自然とこのような内容になってしまいました。
物件情報の見方や、専門用語の解説・ノウハウは
各種専門家の方々が色々と提供されていますよね。
でも、中々本当に知りたい内容はないのが現状です。
本当に知りたいことは
専門用語や技術的な知識ではなくて
物件探しという「取引におけるノウハウ」なのではないでしょうか。
ならば、そこのところをできるだけお伝えしよう!
と力を入れて書いていたら
このような話が長々と続いてしまった次第です。
もちろん、今後は
専門用語や技術的な話も別途していこうとは思っています。
ということで、最後の秘訣ということで
物件探しにおける基本的知識や心構えの締めくくりとして
一つだけ触れていなかった大事なことについてお話しします。
これまでは、物件探しにおいて登場する様々なプレイヤーやその特性
そして物件探しの方法や、その物件探しの方法の一つでもある
不動産業者との物件探しの進め方などについてお話ししてきました。
でも、一つだけお伝えするのを忘れていたことがありました。
それは、
不動産屋の選び方
です。
そうなんですよ。
実は、一番大事なことをお伝えするのを忘れていました。
すみません(汗)。
でも、私も不動産屋の一人なので
あくまでも私の私見をお伝えする形になってしまうとは思いますが
ここはあくまでも、これから物件探しを初めてされる方の立場になって
できるだけ中立的に書くように努力してみました。
では、本題に入ります。
そもそも、不動産屋に物件探しを依頼するということは
依頼する側にもそれなりの理由があるはずですよね。
例えば
ネットで物件情報を検索したり
街を歩いて自分で物件を探したりする時間や余裕がない。
自分で探してみたものの
思ったような物件に出会えない。
そもそも
どうやって物件探しをしていいのかわからい。
など、色々ですよね。
しかし
いずれにしても人(不動産屋)に手伝ってもらうことにしたわけです。
であるならば、依頼した相手(不動産業者)に
せっかくなので自分にとってプラスになるように
動いてもらいたいとは思いませんか?
でも、人はあくまで他人なので
中々、自分の思い通りに動いてくれるとは限りません。
相手、つまり不動産業者にはそれぞれの思惑があったり
相手業者や担当者との相性といったものがあったり
するのもまた現実です。
そこでお勧めするのは
専門用語や専門知識を身に付けて!というのではなくて
ちょっとした事前の確認をしてみる
ということです。
それは
相手業者との
「方向性」や「相性」の確認をしてみることです。
ある程度、関係ができてしまってからでは
わかったところで時間的ロスも大きくなるだけですし
すでに引き返すことができなくなっている可能性もありますよね。
でも、最初であれば、ロスは最小に抑えられるので
急がば回れで、実は最も効率的な方法になるのではないでしょうか。
例えばこんな感じです。
不動産業者と初めて接した時
また物件の紹介を初めて受けた時
次のようなことを考えてみてください。
この業者は
●主な客層はどんな人達なんだろう?
●何を得意としているんだろう?
●どんな立場でその物件やその他の物件に関わっているんだろう?
●何を大切に接客しているんだろう?
このようなことを
具体的な物件探しの話を深める前に
少しだけ想像してみて下さい。
このような確認の時間を少しでも作ることによって
相手が良い人か悪い人かは別問題として
自分が受けるであろうその後のサービスを
ある程度、想像できるようになるはずです。
その時のヒントは、ここまでの秘訣でも少しお話しさせて頂きました。
ところで、誰かと会話や何かを一緒にする時
次のどちらの方がうまくいく可能性が高くなると思いますか?
●自分に興味や関心を持っている人
●自分に興味や関心のない人。
答えは明らかですよね。
私も、前者
つまり自分に興味や関心を抱いてくれている人だと思います。
もう一つ質問です。
会話が弾むのはどちらだと思いますか?
●自分と同じことに興味や関心を持っている人
●自分と異なることに興味や関心を持っている人
こちらも答えは明らかですよね。
私も、前者の
自分と同じことに興味や関心を抱いている人だと思います。
不動産業者と接する時も同じなのではないでしょうか。
特に、初めて不動産屋と接する時は
●自分に興味や関心を抱いてくれる
●自分と同じ事に興味や関心を抱いている
そんな業者を探してみる価値は大いにあるのではないでしょうか。
具体的に、物件探しにおいては
●自分と同じようなお客を主な対象としている
●自分の求めている物件を主な取扱物件にしている
●自分が求めるサービスを得意としている
ぜひ、そんな業者を探してみてはいかがでしょうか。
そして、これらの確認をした上での関係であれば
そもそも相手業者との隔たりは少ないはずなので
信頼関係の構築はよりスムーズにいくのではないでしょうか。
それによって、自分の本音も正直に業者に伝えられるだけでなく
相手業者にもしっかり伝わり、お客さんのために動きやすくなるはずです。
人(不動産業者)に依頼した甲斐があった!
という好循環につながっていくのではないでしょうか。
やはり不動産屋に良い仕事をしてもらうためには
両者の信頼関係構築が最も大切だと思います。
しかし、鼻っから浪花節で関係を作っていくだけではなく
そのお膳立てを事前にすることの大切さもお伝えしたかったのです。
世の中、色んな人がいます。
会社も、色んな会社があります。
そして、不動産屋も色々あります。
ならば、何も自分と合わない相手と
無理をして関係を構築する必要はないのではないでしょか。
せっかく大切な物件探しという協同作業を共にするなら
自分に合う相手、つまり自分に興味があって、方向性が同じ業者を
パートナーにする方が実りは多くなるのではないでしょうか。
最後に
このことを書こうと思ったもう一つの理由をお伝えします。
それは、お客様は
物件については本当に労を惜しむことなく色々とたくさん見られますが
不動産屋選びに関しては意外とあっさりされているからです。
物件探しの全てを自分でされるのなら関係ない話なのですが
不動産業者に物件探しを依頼するのであれば
ぜひ、物件探しだけでなく
不動産屋選びにも少しだけ時間を使ってみてはいかがでしょうか。
きっと、想像以上に
自分に合う不動産屋は
自分の力になってくれるはずです。
ポイント!その10
物件選びだけでなく、不動産屋選びにも少しだけ時間を使ってみる。
チェックポイントは、相手業者が自分に興味があるか?方向性が同じか?
参考になったと思われたら、
ぜひ、「いいね!」ボタンを教えてください。
少しでも多くの方のお役に立てれば幸いです。