こんにちは。
不動産コンサルタントの梶谷です。
今日も前回の続きで、
「不動産コンサルタントの役割」の第四回目です。
前回までの分を読まれていない方は、こちらをお読みください。
一般の人から見た不動産業界の抱える問題とは?~不動産コンサルタントの役割①
不動産と医者の世界の類似点とは?~不動産コンサルタントの役割②
不動産のまち医者とは?~不動産コンサルタントの役割③
さて、前回の続きです。
医療の世界では、
体に何か異変を感じた時に、気軽に相談できるだけでなく、
その後、必要とあらば、
専門的な検査や治療できる専門医療機関や先生まで紹介してくれる
身近な主治医である「まち医者」がいますが、
かたや不動産の世界では、
不動産に関して何か相談をしたい時に
気軽に相談できる「不動産のまち医者」がなぜいないのか?
私はそんな疑問をずっと感じてきました。
恐らく、昔は、
駅前などに昔からある不動産屋がその役割を果たしてきた
のではないかと思います。
サザエさんに出てくる花沢不動産のような不動産屋です。
町内会の行事などを積極的に引き受けて、
まちの人々と不動産以外のことでも日常的に接点を持ち、
何かあったら相談しやすい環境を作っていたりします。
ひょっとしたら、日常的には、
不動産以外の相談事を受けている方が多いのではないでしょうか?
ただ、そのような不動産屋は、
ここ最近、メッキリと少なくなってしまったと思います。
インターネットの普及により、
不動産屋と顧客との接点は、物件ポータルサイトなど、
ネットを起点に物件情報が中心となってしまいました。
さらに、地元の人と昔からのつながりを持ちながら営業してきた
昔ながらの不動産屋で働く人々の高齢化により
インターネットに対応することができなくなり、
アナログの営業に頼ってきた昔ながらの不動産屋が
インターネットを駆使する新しい不動産会社や
資金を大量投下できるチェーンのフランチャイズや
大手の不動産会社に主戦場を奪われてしまった
というのが、
ここ10~20年の出来事だったのではないでしょうか。
確かに、インターネットやコンピューターを駆使した
最新の設備やマニュアルを装備した不動産会社で、
若くてハツラツとしたスタッフからサービスを受けることは
素晴らしいことではありますが、
例えば、就職や転勤で特定のまちで住居を探す時や、
子どもが新たなに生まれるために近くで広い住宅に住み替える時や、
ある特定の新築マンションに住みたいと思っている時といった
こちらの目的が明確な時にはそれなりに便利で不都合は感じないと思います。
なぜなら、こちらが求める物が元々決まっていてる時は、
あくまでもこちら側が主導して主体的に行動しやすいため、
経験の浅い若いスタッフから、マニュアル的な対応でサービスを受けたとしても、
逆に、時間の節約を感じたり、便利さを感じることができると思います。
しかし逆に、例えば、古くなった住宅の住み替えを検討してする時や、
相続や事業の再編時に不動産の処分を検討する時など、
相談をする時点で、
自分でもどうしてよいのか分からない時や、
様々な可能性を一から比較して検討する必要がある時などは、
初めて訪れる不動産会社や、今時の不動産会社の若いスタッフには中々相談しづらい、というのが正直なところではないでしょうか。
このような時、サザエさんの世界であれば、
街の人達は、まず、花沢不動産のお父さんのところに相談に行くのではないでしょうか。
そして、花沢不動産のお父さんに相談をすれば
不動産に関することであれば、大抵のことであればほぼ全て
的確な解決策を示してくれるのではないでしのうか。
また仮に、不動産とはちょっと的外れな相談をしてしまったとしても、
彼であれば、的確な人を紹介してくれるのではないでしょうか。
私は、最近めっきり街から少なくなってしまった
サザエさんの花沢不動産のお父さんのような頼りになる、かつ信頼のおける存在が、
前回までお伝えしてきた「不動産のまち医者」
なのではないかと考えています。
つまり、不動産の取引という一つの解決策を提案するだけではない、
不動産を含めた、ぼんやりとした、でも何だかまだ分からない、
そもそもの不安や悩みにも耳を傾けてくれる、
親身になって、時間をかけてゆっくり話を聴きながら、
自分とともに一緒になって、問題の原因を明らかにしてくれる
その後、その特定された問題を解決するための処方箋を分かりやすく示してくれて、
本人とって必要とあれば、不動産取引などの解決策を提案、実行してくれる
さらに、本質的な問題解決のために
不動産の取引だけでは解決できないと判断した際には、
不動産以外の信頼できる専門家とも連携しながら、
大きな視点に立ってその処方箋を描き、解決策を提案してくれる
まるで、自分の体について、
身近でいつも気軽に相談できる、
長年かかりつけの信頼できる主治医のような
つまり「まち医者」のような存在が、
不動産の世界でも間違いなく必要だと私は思っています。
そんな「不動産のまち医者」が
私の考える「不動産コンサルタント」になります。
次回に続く。